教職3年目ですが、自分の授業を誰かに見てもらう機会がほとんどありません。研究授業は年1回。日々の授業が独りよがりになっていないか不安で、成長している実感が持てません。先輩は忙しそうで、なかなか「見てください」と言い出せません。(中1・中2担当)
結論: 「いつでも見てください」をやめ、見てもらう仕掛けを自分で作る
「お時間あるとき見てください」は、社交辞令として流れて終わります。先輩が忙しいのは事実。だからこそ、相手の負担を最小にした具体的な頼み方を、自分から設計します。ポイントは、短く・観点を絞り・こちらから動くことです。
仕掛け1: 「5分だけ・1つの観点だけ」で頼む
「授業を見てください」は1時間拘束の重い依頼です。代わりに——
「明日の3限、導入の最初の5分だけ見てもらえませんか。指示の出し方が伝わっているか、そこだけ見てほしくて」
時間と観点を絞ると、先輩は「5分ならいいよ」と応じやすくなります。全部を見てもらう必要はありません。毎回1観点ずつ改善するほうが、漠然と1時間見てもらうより伸びます。
仕掛け2: 見る側の「宿題」を用意する
フィードバックが「よかったよ」で終わるのは、見る側の観点が定まっていないからです。見てもらう前に、具体的な問いを渡します。
- 「生徒の何割くらいが活動に参加できていましたか?」
- 「私の指示で、分かりにくかったものはありましたか?」
- 「もし先生ならこの場面、どうしますか?」
答えやすい問いを渡すと、具体的なフィードバックが返ってきます。見てもらうのは技術で、頼み方も技術です。
仕掛け3: 自分から見に行く(一番効く)
実は成長に一番効くのは、見てもらうことより先輩の授業を見に行くことです。空き時間に「後ろで見学させてください」と頼むのは、相手の負担ゼロで歓迎されやすい。見るときは漫然と見ず、1つ観点を決めます(指示の出し方だけ・机間指導の動き方だけ)。盗みたい技を1つ持ち帰るつもりで見ると、自分の授業がすぐ変わります。
独りよがりの不安について
「独りよがりになっていないか」と不安に思えること自体が、独りよがりでない証拠です。危ういのは、疑問を持たなくなったとき。3年目でその感度があるなら、あとは見てもらう仕掛けを回すだけで必ず伸びます。年1回の研究授業を待つのではなく、5分の見学と5分の相互参観を月に数回。小さな相互作用の積み重ねが、研究授業1回よりずっと効きます。