英作文やライティングを書かせると、添削が終わりません。40人分すべての誤りを赤ペンで直していると、返却は2週間後。書かせるほど自分の首が締まり、だんだん課題を出すのが億劫になってきました。かといって直さずに返すのも無責任な気がします。(中3担当)
結論: 添削が終わらないのは「全部を教師が直している」から
英作文の添削地獄の正体は、すべての誤りを教師が赤で書き直していることです。しかも、全部直された答案を生徒はほとんど読み返しません(労力の大半が無駄になります)。「全文添削をやめる」「記号で返す」「生徒に直させる」——この3つで、返却は速くなり、しかも生徒の力は今より伸びます。
対策1: 全文添削をやめ、「今日見る観点」を1つに絞る
毎回すべてを見るのをやめます。その課題で見る観点を1つだけ決めて、そこに集中します。
- 今回は「三単現のsだけ」「過去形だけ」「文の最初は大文字・最後はピリオドだけ」
- その観点以外の誤りは、今回は目をつぶる(次の機会に別の観点で拾う)
- 観点を事前に予告すれば、生徒もそこを意識して書く
1観点なら1枚10〜20秒で見られます。全観点を一度に完璧にしようとするから終わらないのです。
対策2: 直さず「記号」で返す(生徒に直させる)
答えを書いてあげるのをやめ、どこが変かの記号だけつけて返します。直すのは生徒の仕事にします。
| 記号 | 意味 |
|---|---|
| 下線 | ここに誤りがある(自分で直す) |
| ○囲み+sp | つづりミス(spelling) |
| ∧ | ここに何か抜けている |
| 波線 | 意味は分かるが不自然 |
教師は記号をつけるだけなので速く、生徒は自分で直すことで記憶に残ります。「直してもらった」より「自分で直した」方が定着する——これは添削の鉄則です。
対策3: 教師が全部背負わない仕組みにする
40人×全文を1人で抱えないための仕組みを、授業に組み込みます。
- ペア相互チェック: 提出前に隣と交換し、大文字・ピリオド・主語の3点だけ確認し合う(初歩のミスは教師まで届く前に消える)
- よくある誤りの匿名共有: 集めた答案から誤りトップ3を抜き出し、次時に「☆多かったまちがい」として全体で確認(個別に同じ赤を40回書かない)
- 自己修正の時間: 返却後に直す5分を必ず授業内に取る(直させて初めて添削は完結する)
添削を減らすほど、生徒は書けるようになる
逆説的ですが、教師の添削量を減らし、生徒が自分で直す量を増やすほど、生徒の書く力は伸びます。全部を赤で埋めた答案は、達成感を奪い、読み返されません。記号で返し、自分で直させ、多かった誤りを全体で共有する。この回し方なら、返却は数日に縮み、あなたは「また書かせよう」と思えるようになります。書かせ続けられることこそ、ライティング指導の最大の武器です。当サイトの『宿題チェックの時短』も合わせてどうぞ。