生徒が英語を話すとき、声が小さく、語尾が消え入りそうです。自信がなさそうで、間違っていないか探るように話します。もっと堂々と声を出してほしいのですが、「大きな声で」と言うだけでは変わりません。どう育てればいいでしょうか。(中1担当)
声の大きさは性格ではなく慣れ。まず声を出す回数を増やす
声が小さいのは、引っ込み思案だからとは限りません。英語を口に出した経験そのものが少なく、口が英語に慣れていないことが大きな原因です。慣れていない言葉は、誰でも小さな声になります。だから「大きな声で」と促すより、声を出す回数を増やし、出たら認める、を繰り返すほうが効きます。自信がついてから声が出るのではなく、声を出すうちに自信がつきます。
対策1: 全員で声を出す活動で、絶対量を確保する
一人で目立って話すのは怖いものです。まず全員が同時に声を出す時間を毎回作ります。
- 一斉音読・チャンツ・リピートで、教室全体が声を出す
- 音読タイムトライアル(何秒で読めるか)で、声を出すことに集中させる
- 個人の発表の前に、全員で言う準備運動を必ず入れる
まず口を動かす総量を増やすと、個別の発話も出やすくなります。
対策2: 声が出る条件を、意図的に作る
小さな声になるのは、環境のせいでもあります。声を出さざるを得ない状況を用意します。
- ペアの距離を少し離す(近いと小声で済んでしまう)
- 座ったままでなく、立って相手に届ける
- 「相手に伝える」目的のある活動にする(聞き取れないと課題が解けない)
対策3: 発音のハードルを下げる
完璧な発音を求められると、声は縮みます。通じればよい、を徹底します。
- ネイティブ並みでなく「伝わる発音」でよいと繰り返す
- 教師がモデルを何度も示し、まねる回数を増やす
- 発音の細かい訂正より、言えたこと・声が出たことを認める
自信は、声を出した先についてくる
堂々と話せないのは度胸の問題だと決めつけず、口が慣れていないだけだと見立てると、打ち手が変わります。全員で声を出す量を確保し、声が出る条件を整え、発音のハードルを下げる。この3つで、消え入りそうだった声が少しずつ前に出てきます。自信がつくのを待つのではなく、声を出す場を毎時間用意することが、いちばんの近道です。