授業の帯活動で Small Talk(ペアで自由に英会話)を取り入れましたが、10秒で沈黙し、日本語のおしゃべりか気まずい沈黙になります。「もっと話して」と言っても続きません。話題が悪いのか、生徒のやる気の問題なのか…。(中2担当)
結論: 沈黙の原因は「型がない」。自由に話させる前に、続ける道具を渡す
Small Talk がすぐ沈黙するのは、話題が悪いのでもやる気がないのでもなく、多くは「どう始めて、どう続けるか」の型を持っていないからです。母語でも、型のない雑談は難しいもの。話す前にインプットと道具を仕込めば、同じ生徒が驚くほど続けられます。仕込みは3つです。
仕込み1: 話す前の「30秒インプット」
いきなり「さあ話して」ではなく、話す材料を先に頭に入れる30秒を置きます。
- 教師が今日のお題を英語で30秒モデル(先生の週末など)
- キーとなる表現を2〜3個板書
- 「言うことを10秒考える時間」を取ってから開始
空の頭では話せません。材料を入れてから口を開かせるだけで、沈黙は大きく減ります。
仕込み2: 「続けるフレーズ」を配る
沈黙の正体は、相手の発言に反応できず・質問を返せないことです。反応と質問のフレーズを、掲示や下敷きで常に見える形にします。
| 反応する | 質問を返す |
|---|---|
| Oh, really? / Me too! / Nice! | How about you? |
| That's good! / Sounds fun! | Why? / Really? |
| I see. | What / When / Where 〜? |
「相手が話したら、まず反応→質問を返す」を型として教えると、会話が一往復で終わらず続きます。この型だけで Small Talk は激変します。
仕込み3: お題は「全員に答えがある」ものを
盛り上がらないお題は、答えを持たない生徒がいるお題です。「あなたの趣味は?」は無趣味の子が沈黙します。全員が必ず何か答えられるお題を選びます。
- 昨日の夜ごはん/今朝起きた時間/今いちばん眠いか
- 週末の予定/好きな給食メニュー/テスト前の気分
身近で・正解がなく・誰でも一言ある——この3条件のお題なら、全員がスタートできます。
続けるうちに「型」が消える
反応・質問フレーズは、最初は掲示を見ながらでも、続けるうちに自然に口をつくようになります。そうなったら掲示を外してよい合図。型は、自由に話すための一時的な足場です。足場があるうちは思い切り頼らせ、外れたときには本物の会話力が残ります。Small Talk は才能ではなく、仕込みで続くようになります。